このCDはそんなポリーニの数少ないドビュッシー。冒頭からめざましい運指でバリバリ弾くのだが,はっきりいって粗忽。ベロフの旧盤に共通する潤いのない打鍵の11をはじめ,26に顕著な粗野極まりないペダリング,14に顕著なリズムの硬さ,含蓄の無さなど挙げ出すと切りがない。一体彡?は「ただおそるべき手を持つだけで音楽に入り込んではならない」と戒めたドビュッシーの言葉を,一度でもちゃんと理解しようとしたのだろうか?全てにおいて,フランスものを安易に考えている彼のウィーン/ドイツ・セントリズムが遺憾なく発揮され,聴くに堪えないとはこのことだ。音楽がかくも多様化し解放された現代社会においても,なお楽壇と巨人を崇拝するこれは,まさに前世紀の遺物とも言うべき一枚。これを聴いて喜ぶのは,ポリーニ好きのファンか,印象派に造詣のない批評家くらいのものだろう。こんなもんを特選盤にした某有名誌の見識を疑います。併録はモロ十二音階で気違いじみてるし・・・鬱だ・・・。唯一まともな5に救いを見いだし星2つ。