きら星のように登場する大学者の評価が教科書などのそれと違うところはおもしろい。ごく一部だけ紹介すると、たとえば、ガリレイは合理的すぎて、またデカルトは単純すぎて磁力、重力の科学理論化に失敗した、などであるが、それがベーコンやニュートン、その他についてもそれぞれ開陳される。特に、デカルトの科学史上の役回りは、磁力、重力以外でも従来の評価の主流とはかなり違う。そのあたりのおもしろさを原文にあたって味わってほしい。 誰かが新しい立論をするとしばしば批判や非難が出る。それにどう反論したか、をみると改めてその立論により何がどう前進したのかが分かりやすくなる。そのような3巻に共通する書き方も、この長いドラマをいっそうドラマチックに仕立てている。
著者の視点のユニークさは、30年以上にわたって持続しているようである。