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| インド幻想紀行〈下〉ヒンドスタンの石窟とジャングルから |
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著者名 |
ヘレナ・ペトロヴナ ブラヴァツキー/Helene Petrovna Blavatsky/加藤 大典/H.P.ブラヴァツキー |
| 出版社 |
筑摩書房 |
| 発売日 |
2003/05 |
| おすすめ度 |
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| 参考価格 |
1,575円(税込) |
| 価格 |
- |
| 発送可能時期 |
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| カスタマーレビュー |
ナチスの思想的源流の一つとなった擬似宗教 |
| 2005/02/12 12人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 |
| 本書の著者ブラヴァツキー夫人によって1875年に設立された神智学協会とその教義は、ベンジャミン・クレームのシェア・インターナショナルやルドルフ・シュタイナーの人智学協会をはじめとする多数の疑似宗教的組織の思想的淵源となってきましたが、すでにブラヴァツキーの生前から数多くの批判を受けてきています。(ナチスの人種論と神智学協会の教義の関わりについては、横山茂雄「聖別された肉体・オカルト人種論とナチズム」参照) その中の一つに、神智学協会が「大師」からの「霊感」によって書かれたと主張するブラヴァツキーの著作Isis Unveiledにおける剽窃問題があります。 すでに1891年の時点でコールマンは、Isis Unveiledはブラヴァツキーが当時の二次的オカルト文献からの剽窃によって書いたにすぎず、剽窃の具体例はおよそ二千箇所(!)にのぼると主張しました。 Bruce F.Campbellは、コールマンが指摘した中の数十の例を検討し、そのすべてにおいて、コールマンが挙げた典拠から「イシス」の一節が文字通り剽窃されているのを確認したうえで、ブラヴァツキーが「霊感」によって本書を書いたという主張に重大な疑問をなげかけています。(Ancient Wisdom Revived,University of California Press,1980)キャンベルの書では、「シークレット・ドクトリン」や「マハトマ書簡」に関する同様の剽窃問題、SPRによるブラヴァツキーの詐術暴露事件なども紹介されています。 また、二十世紀における学問的なカバラー研究の大家であったゲルショム・ショーレムは、「ユダヤ神秘主義」(邦訳:法政大学出版局)の中で、ブラヴァツキーが「秘密教義」を書くにあたって「ゾーハル」などを大量に盗用しているにすぎないことを指摘し、神智学協会を「疑似宗教」と呼んでいます。 |
いや、まさかこんなに面白いとは |
| 2004/03/08 11人中、9人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。 |
| 本書はオカルティストとして有名なブラヴァツキー夫人が、自身のインドでの体験を元に、神智学教会の面々とインドを旅し、様々な驚異を目の当たりにする様を描いた紀行物語。猜疑心に満ちたイギリス当局と秘密警察、魔除けの石を持った蛇使い、人喰い虎の恐怖、奇形生物、奇跡を行う人々、生まれ変わり、幼時結婚、生理学の常識を越えたヨーガ行者達、横行する様々な差別、隠蔽される圧制、精神感応、永劫を背負って聳え立つ古代遺跡、etc、etc、etc………。誰もが思い描く謎に満ち溢れた「神秘のインド」の姿がこれでもかとばかりに息吐く暇もなく次々と描かれてゆく。しかも単なる物見遊山で終わるのではなく、思想的側面も含めたインドの現状についての分析は舌鋒鋭く、しかも実に生き生きとしている。 正直、オカルトはサッパリの私なぞは彼女の他の著作は悉くチンプンカンプンなのだが、この本を読んで目から鱗が落ちた。彼女は該博な知識をいいことに猛進する混乱せる知能の持ち主などではなく、意外にも(失礼!)常識、学識、批判的精神に富んだ才能豊かな文人なのだ。本書が実際のインドの記述として正確かどうかはやや測り難ねるところではあるのだが、少なくとも第一級の文学的業績であることは間違いない。 この版はロシア語原典ではなく英訳を更に訳したもので、基本は「ですます」調、小見出しや改行を増やす等読み易くする為の努力はしているものの、それが却って文意をぼかしてしまっている部分もあり、原著者の博識についていけていない箇所も散見する。だがまぁここは、こうした本を翻訳してくれただけでも充分良しとすべきだろう。オカルトなぞには興味のない一般の読者にも躊躇うことなくお薦め出来る一冊である。 |
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