しかし、読んで行くうちに、「皮膜のところで踏みとどまるか、そこを突破するか瀬戸際の緊張感」(p.331 武居記者による「解説」)が見せる“ギャグ”に笑いながらも慄然としました。そしてまた、極限の世界を展開しながらも、あと一歩のところでマンガとしての領域に踏みとどまり続ける赤塚不二夫という、まさに不二の作家の偉大さを思い知らされました。
30年も前にこういう世界が繰り広げられ、それを知らずに来たことを恥に思うほどの名作です。個人的には、音楽でもベスト版のヌルさは嫌いなのですが、ゴンを知らない人はまずこの本でそのインパクトを経験すべきでしょう。