なかでも「江戸とその周辺」を対象にしているのだが、観光する側ではなく、「受け入れる側」からの視点が面白い。例えば成田山などの地方のお寺が、メディアへの露出や影響力のある人物へのPR活動をするなどして、「ご開帳」をたくみに成功させる姿などは、現代の観光マーケティングにもつながるところがあるだろう。また、大名諸家が自分の屋敷内に地元の神様を勧請して、江戸の市民を受け入れて財政の足しにしていたなんてことは本書で初めて知った。やりすぎで幕府にとがめられるところもあったりして、大名家も大変だったんだ、と思わずにいられない。