地を這うようなバール・フィリップスのベースに、同様に地底から這い上がるように押し上げてくるジョン・サーマンのバリトンは、「The Trio」で聴かれたような激しさはありませんが、ECMにしてはかなり過激なもの。フリーフォームの中での各人が繰り出す激しくも静かな戦いは、息を飲むような迫力に満ちています。「The Trio」になかったのが、ここで重要な働きを示しているシンセの存在ですが、バール・フィリップスとジョン・サーマンが作り出すおどろおどろしい世界を、絶妙なバランスで中和してくれています。ギターのアバークロンビーは最後の1曲のみに参加していますが、ほかのメンバーに触発されたのでしょうか、アバークロンビーにしては珍しく暴れまくっています。